2011年題材

金剛力士「阿形(あぎょう)・吽形(うんぎょう)


 【題材解説】
 仏界の中心、須弥山には仏を守護する多くの神が居て、その最頂上には全ての武将を統括する三十三天が居る。その中の帝釈天が怒り、自ら戦陣の 先頭に立って戦う時は、武装の忿怒形(ふんぬぎょう)となり、名を執金剛神(しつこんごうしん)と改め、上半身裸体に変身し、二神となる。一体は右手に金剛杵(こんごうしょ)を持ち、口を開けた「阿形像」で、大声を発し、敵陣に飛び込む「那羅延堅固(ならえんけんご)」、もう一体は左手に金剛杖(こんごうじょう)を持ち、口を閉じた「吽形像」で、逃げまどう敵を撲滅する「密迹金剛(みつしゃくこんごう)と言い、この二神を一般的に「金剛力士」または「仁王」と呼んでいる。
 そもそも阿吽とは、仏教的には物事の始まりと終わりを意味し、「阿」が息を吐くかたち、「吽」が息を吸うかたちに見えることから、両者の息がぴったり合う「阿吽の呼吸」という言葉になったとされる。また、金剛力士の偉丈夫な様相から健康、特に健脚を守る神としての尊崇も受け、草鞋を奉納する習慣もある。

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